バカ夫婦

東京の片隅に暮らすアラフィフ子無し夫婦(ハゲとドジ)のどうでもいい話

桃太郎って、英雄なの?

ダンナに「のりちゃんは今、文章書けへんよ。試しに読書感想文書いてみい」と言われ、適当に「じゃあ、桃太郎とか?」と、安易に題材を決めたことを今、猛烈に後悔している。
桃太郎にこんな様々なバージョンがあるなんて!!
私が知っているのは、川の上流からドンブラコと流れてきた桃を老夫婦が拾い、パッカーンと割ったら桃太郎が出てきて、すくすく育った桃太郎が犬猿雉を連れて鬼ヶ島に行って鬼退治をするというアレだ。
しかし他のバージョンでの桃太郎は、まるで三年寝太郎のようなぐうたらだったり、そもそも「桃」っていのが既に若い娘のお尻の隠喩で桃太郎はおじいさんが若い娘に産ませたのだ、みたいな説。挙げ句、桃太郎自体が女だった、というものまである。
芥川龍之介版を読んだが、要するに鬼目線でみると、特に理由もないのに急にやって来た桃太郎が、あれこれ言いがかりをつけては鬼ヶ島で暴れまわり、鬼の財宝を強奪するお話で、しかも最後は不幸な一生を送るのね。しかも家来にする犬猿雉の報酬はきびだんご半個‼️ 桃太郎ケチの極み‼️
ふと、何年か前に日本新聞協会広告委員会が「しあわせ」をテーマに実施した「新聞広告クリエーティブコンテストで最優秀賞をとったコピーを思い出した。


「ボクのお父さんは桃太郎というやつに殺されました」

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そばにはポツリと、泣いている小鬼。
もしかしたら誰かの正義は誰かの悲劇によって成り立っているのでは、とハッとさせられた。桃太郎はどこにでもいる。誰かの正義は、誰かの悲劇。地球のあちこちにいる「桃太郎」がいなくなったら、世界は平和になるのかしら?
この小鬼の広告は、今、道徳の教科書にも載っているらしい。